ゲージ圧と絶対圧を高い精度で変換するのは困難ですが、
目安でよいなら標準大気圧(101.3kPa)をゲージ圧に加算すると絶対圧に変換できます。
実際にはかなりの高気圧の日でないと大気圧は101.3kPaにならないことが多いので単に100kPaを加算すれば事足ります。
「100kPaで良い理由:元になる圧力は何で測定したものでしょうか?誤差が1.3%くらいより良い測定値ならそれに見合う大気圧計の値を使用する必要があります。そうで無ければ100kPaで十分でしょう。」
正しく(精度よく)換算するには「ゲージ圧を測定した時の、その場(センサーのある場所)の大気圧」を加算する必要があります。
後日換算しようとしても、大気圧の再測定はできません。
「ゲージ圧にある数値(定数としての大気圧)を足せば絶対圧」と言うのは良い答えではありません。
精密(±1kPa位)に求めるには [常に変動している大気圧] を [必要な精度] 以上で測定して測定値を加算します。
精度が高くなるとエアコンの噴出しの風でも大気圧の測定値は変化するので注意が必要です。
(「解り難い」と言うご意見がたまにあり、検索語を解析してみるとゲージ圧と絶対圧の変換のようでした)
誤差±3kpa位ならゲージ圧に100kPaを加算すればほとんど間に合います。(海面上に住んでいるわけではないので、よほどの高気圧でなければ大気圧は100kPa未満です。)
ゲージ圧(g)+100kPa≒絶対圧(abs) kPa以外の単位の場合は100kPaを換算して加算します。適度に丸めた数値でOK。
特殊な環境:たとえば外気圧より高めの圧力制御を行っている室内(クリーンルーム等)にゲージ圧計を持ち込んだ場合は、その室内の気圧(絶対圧)がゲージ圧計の基準圧になります。このゲージ圧計を絶対圧に換算するには室内の絶対圧が必要になります。
富士山の中腹(高度不明)で圧力釜の内部圧力を測るには・・・・? 絶対圧計しかありません。
「 圧力ゲージ 」と「 ゲージ圧 」はまったく意味が違います。圧力ゲージといえば、圧力センサ(表示器)のことでゲージ圧用や絶対圧用等があります。 「絶対圧ゲージ」初心者混乱の言葉。絶対圧計のことですが、使用は控えたいですね。
圧力計の構造を考えると理解しやすいかも。
多くの圧力計は1枚の板を挟んで押し合う力を測定します。
板の片側は測定したい圧力源に、そしてもう片方が真空になっている場合は絶対圧。
また大気圧に解放されている場合はゲージ圧。別の圧力源につながる場合は差圧。
圧力計は構造で・絶対圧・ゲージ圧・差圧に分かれますが、1枚の板の反対側がどうなっているかによって変わります。
ゲージ圧は大気圧との差圧になります。
したがってゲージ圧と絶対圧を換算するには大気圧を足すか引くになります。
測定圧→|←基準圧 基準圧が真空なら絶対圧:大気圧ならゲージ圧:別の測定圧なら差圧
どうですか?
圧力計は3種類と書きましたが、基準圧を大気圧相当とした絶対圧計があります。シールドゲージ圧といいます。大気圧変動は無視できる範囲でゲージ圧として使用します。
使用時に大気圧解放し、0点調整(0リセット)して正しく測定できます。
1気圧を封じこめると温度で基準圧が変化するので、真空の絶対圧計をオフセット処理して大気圧(1気圧)で0出力のものです。
おまけ ゲージ圧で測定することに意義がある例:この例では絶対圧に変換することは無意味です。
数mの水深を圧力計で測定することがあります。精密測定の場合はゲージ圧計(又は差圧計)としてパイプを使って水面上の大気圧を測定の基準にします。
水深10m測定の場合、フルスケールで約100kPa。大気圧が通常の1000hPa位から台風で950hPa位まで50hPa=5kPa変化すると、絶対圧計での測定なら水面が50cm変動します。 ゲージ圧計ならこの変動は誤差になりません。
でも水深100m測定で50cmは誤差で良いなら絶対圧計で測定できます。水面までパイプをつけるのは大変だから。
圧力を表記する場合、単位の後ろに(a)か(g)をつけて表示すれば、絶対圧かゲージ圧かをはっきり表示できます。